自己破産をしたらブラックリストはいつ解除される? 期間と影響を解説!

自己破産後のブラックリストの登録とは?

自己破産後のブラックリストへの登録とは、そのような名称のファイルが存在しているわけではなく、個人ごとの信用情報機関リストで何かしらの事故記録(返済の滞りなど)を残してしまった人に対しての俗称のことです。

ブラックリストとは?

ブラックリストという言葉はよく耳にしますが、そういった名簿が実在しているわけではありません。

例えば、買い物でクレジットカードを利用したり、ローンを組んだりするとその情報が信用情報機関に登録されます。それを期間内にしっかり返済完了していれば何の問題もありません。

しかし、3ヵ月以上滞納したり、返済が遅れたりすることにより「事故」として信用情報機関に情報が登録されることになります。このような状態のことをいわゆる「ブラックリストに載る」と呼んでいます。

ブラックリストに登録される条件には以下のようなものがあります。

・クレジットカードやローンなどの返済を連絡なしに61日間(または4回)延滞した
・クレジットカードの利用規約違反などで強制解約された
・任意整理や自己破産などの債務整理(借金を減らしたり、猶予を持たせて借金の悩みを解決する手段のこと)を行った
・携帯電話やスマートフォンの料金分割払い、奨学金の滞納を約3ヵ月行った

上記以外で例えば、公共料金の未払い延滞や、数日間の支払い延滞などについては、ブラックリスト入りの条件には当てはまりません。

信用情報機関について

信用情報機関とは、個人の借り入れ状況や返済状況などといった信用情報を管理している機関のことです。例えば、銀行やカードローン会社、消費者金融といったいわゆる金融業の会社が、信用情報機関の加盟店として登録されています。

その加盟店は、顧客がどのくらい借金をして、どのように返済をしているのか、それらを逐一記録をしています。さらに、その記録は加盟店同士で共有されています。

信用情報機関は日本には3つ存在しています。

・CIC(株式会社シー・アイ・シー)
クレジットカードやカードローン、携帯電話の分割払い、マイカーローン、住宅ローンなど、ローンを組む際の審査に必要な情報を提供している会社です。クレジットカードでの買い物情報などもすべて管理されています。
加盟している会社は幅が広く、流通系、銀行系、メーカークレジット会社、家電メーカー系クレジット会社、自動車メーカー系クレジット会社、保険会社、銀行などあります。

・JICC(株式会社日本信用情報機構)
信用情報の収集や登録、管理を行い交流を目的としている会社で、加盟しているのは、消費者金融会社の他に、流通系、銀行系、保証会社、信販会社、リース会社などがあります。
消費者金融のイメージが昔はありましたが、最近では銀行以外の加盟店はCICとJICCの両方に登録しているケースも多くなっております。

・KSC(全国銀行個人信用情報センター)
銀行、信用金庫、信用保証協会などが加盟する信用情報機関です。債権回収、債務整理、代立弁済、強制解約などを行います。
消費者信用の円滑化などを目的として運営されています。

クレジットカード会社や銀行、消費者金融などの金融機関はこれら3つのいずれかに加盟しています。また、会社によっては複数の信用情報機関に加盟もしています。

債務者の事故情報については、3つの機関すべてで共有されているため、前回はCICで上手くいかなかったから今回はKSCということはできないので注意してください。

自己破産によるブラックリストはいつ解除される?

ブラックリストが載る信用情報機関によって異なりますが、おおよそ5年〜10年とされています。
この掲載期間5年というものは、延滞が解消されてからの期間のことになりますので、延滞を繰り返している内はブラックリストから外れることができないということになります。

しかしながら、これらは債務整理の方法によって掲載期間は変わってきます。

また、事故情報登録が消えてもなにか連絡が来ることはないため、自分から各信用情報機関に問い合わせをしなければなりません。

自己破産後にブラックリスト登録される信用情報機関は?

実際に信用情報機関に何が登録されるのかというと、「氏名」「住所」「生年月日」「電話番号」「クレジットカード利用状況」「割賦販売」「ローンの利用残高」「返済履歴」このようなものになります。

滞納期間に関しての捉え方が会社により違います。しかしながら、共通で多く見られるのはどの会社も支払いの滞納が2〜3ヵ月ほど遅れていると、信用情報機関に載る傾向があります。

これらの情報は3つの信用情報機関で共有されていますので、次に貸すことになる金融機関がお金を貸すかどうか判断する基準とされます。
日本国内では3か所存在して、金融機関は下記のいずれかに加盟をしています。

・CIC(株式会社シ・ーアイ・シー)
クレジットカード会社が主で、消費者金融などが加盟する信用情報機関です。
約定返済日(約定返済金額を返済する、契約で決められた日のこと)から61日以上、もしくは3ヵ月以上に渡って支払いが滞納している場合に5年記録されます。
保証会社が代立弁済(保証会社が借金をした人に代わり、借入先の金融機関に返済すること)した場合5年記録されます。

・JICC(株式会社日本信用情報機構)
消費者金融が主で、信販会社、クレジットカード会社などになります。約定返済日から61日以上、もしくは3ヵ月以上に渡って支払いが滞納している場合に5年記録されます。

・KSC(全国銀行個人信用情報センター)
銀行、信用金庫、信用保証協会などが加盟する信用情報機関になります。
個人再生と自己破産では、共に7年記録されます。

自己破産後のブラックリスト期間について(信用情報機関別)

自己破産というのは、裁判所から「あなたは自己破産を受けられますよ」という許可を得て、借金や債務の支払い義務を免除して貰えるようになる制度のことです。
自己破産をするとブラックリストに載ることになるのですが、その掲載期間は信用情報機関ごとに異なります。

・CIC(株式会社シ・ーアイ・シー)
自己破産に関する登録期間は、契約期間中+契約終了した後の5年以内となります。自己破産に関して登録される内容としては、自己破産手続き開始決定と免責の有無です。
債権者と任意に交渉を行い利息をカットしてもらうといった任意整理の場合も、ブラックリストに載ります。任意整理の場合は完済から5年となります。個人再生の場合には、情報機関に載ることはありません。
債務整理ではなく、2ヵ月以上の延滞を発生させてしまった場合にも5年間、信用情報機関に掲載されることになります。

・JICC(株式会社日本信用情報機構)
自己破産による破産手続開始決定日から5年間、信用情報機関に掲載されます。個人再生の場合は、債務負担を5分の1〜10分の1程度に減少できる制度を利用すると借金完済から約5年間、信用情報機関に掲載されます。
債権者と任意に交渉を行い利息のカットをしてもらうといった任意整理の場合でも、ブラックリストに載ります。任意整理の場合は完済から5年となります。
JICCに限り、2ヵ月までの延滞であれば1年で信用情報機関の掲載から消えることができますが、3ヵ月以上の延滞で5年間の掲載となります。

・KSC(全国銀行個人信用情報センター)
自己破産による破産手続開始決定日から10年間、信用情報機関に掲載されます。
任意整理では、ブラックリストに載りません。個人再生の場合には、借金完済から10年間とされています。
こちらもCIC同様、債務整理ではなく、2ヵ月以上の延滞を発生させてしまった場合にも5年間、信用情報機関に掲載されることになります。

自己破産によるブラックリストによる影響は?


自己破産をすることで、信用情報機関に「金融事故を起こした」という情報が一定の間登録されてしまいます。
この信用情報機関に登録をされるということは、お金を貸している金融機関などから、お金を借りることができなくなるということです。

自己破産によるブラックリスト登録のデメリット その1 ローン

自己破産をしてブラックリストに載ってしまうと、新たなローンを組むことができなくなります。
マイカーローン、住宅ローン、教育ローン、カードローンなど、種類とは関係なくすべてにおいてローンを組むことができなくなります。

それぞれの信用情報機関ごとに、解除される期間などの違いはありますが、おおよそ5年〜10年で解除が可能となります。そのため、新たにローンを組むことができるようになるのは10年後ということになります。

しかしながら、住宅ローンなどの大きなものに関しては、解除されたとしても直ぐに審査が通るようにならない場合もあります。

自己破産によるブラックリスト登録のデメリット その2 クレジットカード

自己破産をしてブラックリストに載ってしまうと、クレジットカードを新たに作ることができなくなります。また、これまで使用していたクレジットカードもすべて使うことができなくなります。

ただ、代替としては「デビットカード」がありますので、こちらをブラックリストを解除されるまでの間だけ利用するパターンも増えています。
ネットショッピングやキャッシュレス利用をしたい人は、デビットカードであれば、VISAやJCBのマークが付いているので、店頭やネットでの利用も可能となります。
通常のクレジットカードとは違い、後払いではなくその場での決済になりますので、口座に残高があることが前提条件となります。

ただし、債務整理をした後に返済を継続することができていて、安定した収入を得られている状態であれば、たとえブラックリストに載っていても新たにクレジットカードを作ることができる可能性はあります。

自己破産によるブラックリスト登録のデメリット その3 官報に破産情報が載る

自己破産の申立てを行うことにより、「官報」という名簿に名前が載るデメリットもあります。この名簿に掲載されるのは、免責決定(裁判所が破産者が背負っている借金を免除する決定のこと)されるまでの期間です。

闇金業者などは、マメにこの官報の情報をチェックしており、破産した人宛にメールを送るなどして執拗に声を掛けてきます。
闇金に一度手を付けてしまうと目を付けられてしまい、職場や家族などにも迷惑を掛けてしまうことになります。

たとえ自己破産後にお金に困ったとしても、誘惑に負けないように注意してください。

自己破産によるブラックリスト登録のデメリット その4 携帯電話やスマートフォンの分割払い

自己破産をしてブラックリストに載ってしまうと、携帯電話やスマートフォンを分割で購入することができなくなります。

これを意外に感じる人もいるかもしれませんが、携帯電話の本体料金を分割払いで購入するということは、ローンを組むことと同じことです。
つまり、スマホや携帯電話の販売会社は契約する際に、信用情報機関にてブラックリスト情報が載っていないか確認しているということです。

しかしながら、携帯電話の契約はすることができます。
どうしても購入したいときには、価格の安い本体を一括購入するか、自己破産をしていない家族が保証人になるなどをして、購入することは可能となります。

携帯電話やスマートフォンの分割払い滞納などは、ブラックリストに載る例としても多く見られる案件になりますので、注意してください。

自己破産によるブラックリスト登録のデメリット その5 賃貸住宅の契約

自己破産をしてブラックリストに載っていたとしても、賃貸契約を結ぶことは可能となります。さらに、自己破産をしたなどの申告も必要がないので、入居審査も無事に通過することができます。

ただし、賃貸契約の際に保証人の代わりに家賃保証会社との契約が義務であった場合、信用情報機関の事故情報を見られてしまう可能性もあるため、契約を交わすことが難しくなるかもしれません。

しかし、既に安定した収入を確保できている状態であれば、ブラックリストを参照されたとしても審査を通る可能性はあります。
もしくは、確実に賃貸契約を結びたいのであれば、家賃保証会社との契約が必須でない物件を探すことで解決することができます。

自己破産によるブラックリスト登録のデメリット その6 保証人

ローン会社は保証人に対しても、返済能力があるか確認をします。

自己破産をしてブラックリストに載ってしまうと、お子さんが入学で奨学金を使いたくても保証人になることができません。
自己破産をしていない家族か配偶者が保証人になるか、保証機関が保証人になってくれるようなところを探しましょう。

自己破産によるブラックリスト登録解除の確認方法

自己破産をしてブラックリストに載ったとしても、5年〜10年経過すれば事故登録が解除されます。ただし、登録されている期間は長くても10年と決まっていますが、期限が来ればその瞬間に終わるというわけではないので注意してください。

データが消去されるタイミングが週に1回なのか、月に1回なのか、破産者自身が何年の何月何日に免責を受けることになったのかという情報が分からなければなりません。
信用情報機関によって、事故情報が消されるタイミングが違います。それぞれに対して情報開示請求をしなければ明確にはわかりません。

ちなみに、このブラックリスト登録解除までに掛かる5年という期間は、再就職をして安定した生活を送れるようになるための期間としても、考えて設けられています。

そういった意味で、ある種リハビリ期間だと捉えて生活していくことが望ましいともいえます。

自分で信用情報機関に開示申請をして確認

信用情報機関に開示請求をすることで、自分の信用情報の確認をすることができます。
その場合は、借入先の金融機関が加盟している信用情報機関に問い合わせする必要があります。

例えば、A社の借入先がCICだった場合にJICCに信用情報の請求をしても解決にならないので、この場合はCICに請求をするようにする必要があります。
金融機関は契約書を交わす段階で、どこの信用情報機関に登録するのか記載しておく義務があります。
万が一書類を無くされて、どこの信用情報機関に登録されているのか分からなくなった場合には、CIC、JICC、KSCの3社すべてに信用情報の開示を受ける必要があります。

JICCは、窓口、郵送、スマートフォンなどで確認することができます。
CICは、窓口、郵送、スマートフォン、パソコンなどで確認することができます。
KSCは、郵送のみの取り扱いとなります。

また、身に覚えのない信用情報は解除申請することができます。
基本的に信用情報の削除は時効以外にありませんが、万が一、身に覚えのない信用情報であったり、期間が過ぎても自動で削除されていない場合もあります。
そのような場合には、信用情報が登録された機関に削除申請をすれば事故情報を削除することができます。申し込み方法としては、運転免許証などの本人確認書類があれば可能です。

金融機関にローンやカードを申込してみる

自己破産をしてブラックリストに載っていると、原則としてクレジットカードの利用やローンを組むことができなくなります。

ブラックリストに載り5年〜10年経過したタイミングで、試しに金融機関でローンやカードの登録を申込してみることで、自分が事故登録を解除されたのかを確認することもできます。

金融機関は、契約前に必ずCIC、JICC、KSCなど信用情報機関3社へ事故登録されているか確認をする義務があります。

自己破産後でも借金はできるの?


自己破産後に借金ができるようになるのは、破産手続きの開始や破産による借金の返済から5年〜10年経ってからとなります。

債務整理の内容や信用情報機関によって詳細が異なりはしますが、一般的には10年経過すれば事故情報が消されるため再び借入することはできるようになります。

自己破産後でも5年経てば借金できる

先述したように、自己破産後に借金ができるようになるのは、破産手続きの開始や破産による借金の返済から5年〜10年経ってからとなります。

この5年〜10年というのは、信用情報機関にある情報が消えるまでの期間のことであり、たとえこの期間を過ぎたとしても貸付審査を通ることができなければ、新たに借金をすることはできません。

自己破産後でも作れるクレジットカード

信用情報機関に事故情報として登録されてしまうため、クレジットカードの審査に通ることが難しくなるので、基本的には自己破産後にクレジットカードを作ることはできません。

ただ、デビットカードであれば作ることは可能です。
デビットカードは利用時に、銀行口座から直ぐに引き落としがされるため審査がありません。ただし一部のデビットカードには、オートチャージ機能が付いているものがあるため審査が必要になる場合があります。

さらに、家族カードを作成することも可能です。ブラックリストに載った本人ではなく、家族名義でのクレジットカードなら作成できます。
家族にクレジットカードを作成して貰ってから、自分用の家族カードを申込すれば作成できます。
ただし、家族カードを発行していない会社もあります。

まとめ

今回は、「自己破産をしたらブラックリストはいつ解除される?期間と影響!」についてまとめました。

自己破産をするとブラックリストに登録されることになり、クレジットカードが作れなくなったりローンが組めなくなったり、官報に破産情報が載るといったリスクがあります。そのため、自己破産をするかどうかの判断は慎重に決める必要があります。

ですが、その状態も永久に続くわけではなく、ある程度の期限が設けられています。たとえ、ブラックリストとして登録されている間でも、家族などの力を借りることができれば保証人にもなって貰えます。
自己破産やブラックリストに載ることに対してあまり良いイメージは持たないかもしれませんが、幸いなことに信用情報機関に載った情報を見ることができるのは、本人か加盟店のみです。
そのため本人から周りに話さない限りは、職場に知られる心配も、家族や友人に知られる心配もありません。

誰でも一度や二度の失敗は人生につきものです。
ローンを組めなくなるなど、不便な面もあるかもしれませんが、新しい人生の再スタートと考えてみるのがいいかと思います。

さいごに

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