債務整理はいくらからできる? 金額の目安や条件とタイミングなどについて解説!

この記事では、債務整理を検討するべき借金額の目安や条件、タイミングなどについて解説していきます。
債務整理には主に任意整理、個人再生、自己破産の3種類があり、状況によってどの方法を選べばいいのかは異なります。ですので、条件ごとにどの債務整理方法が向いているのかに関してもお伝えします。
また、借金額も大事なのですが、月々の返済額も非常に重要な要素ですからお気を付けください。同じ借金額であっても月々の返済額が違えば、完済の難易度も変わります。
それではさっそく見ていきましょう。

債務整理は借金の総額だけじゃなく毎月の返済額が目安

「借金の総額だけを基準に、どの債務整理を選ぶのかを判断する」と考えている方も多いと思いますが、実は毎月の返済額も借金額と同じかそれ以上に重要です。
同じ金額でも月々の返済額が少なければほぼ困らないでしょうが、月々の返済額が高すぎれば非常に困難になるはずだからです。
では、毎月の返済額などの状況ごとに、向いている債務整理の方針を紹介していきます。

毎月の返済額が月収の1/3以上の場合

まず目安として毎月の返済額が月収の1/3以上の場合は、債務整理の検討をおすすめします。
日本には総量規制というルールがあり、これは大雑把に言うと「個人で借金できる総金額は年収の1/3まで」というものです。つまり「個人で収入の1/3以上の借金があるのはピンチ」と判断するのが妥当なのです。
ですが、銀行などの融資は総量規制の対象外となっていますから、実際には収入の1/3以上借りられてしまう場合もあります。
なお収入の1/3以上の借金があるとしても、具体的にどの債務整理を選ぶかは状況によります(これについてはこれからじっくり解説していきます)。

毎月の返済が利息だけになっている場合

毎月利息分しか返済できていない、例えば「元本が100万円で利息分しか支払えていないので、借金が100万円から全く減らない」という場合は当然債務整理をするべきです。
債務整理には主に任意整理、個人再生、自己破産の3種類がありますので、専門家と相談しつつ、どの債務整理をするかを慎重に判断してください。
ここで3種類の債務整理についてごく簡単にまとめます。

任意整理:基本的に利息のカットしかできない
個人再生:借金を8~9割もカットできる
自己破産:基本的に借金がゼロになる

「元本が大きいせいで、利息しか支払えない」という場合は、利息のカットしかできない任意整理をしても解決できないかもしれませんから、個人再生や自己破産も検討しましょう。
ただ、「毎月の支払い金額が少なすぎるせいで、元本が減らない」というケースもあります(50万円の借金を月々1万円だけ返済するなど)。こういった場合は任意整理をして利息をカットするだけで解決できる可能性があります。

自転車操業状態になっている場合

一般的に自転車操業とは「借金をして、借金を返している」という状態のことです。利息がありますから「同じ金額を借りたり返したりし続けること」はできず、基本的に借金がどんどん膨れ上がっていきます。
また、負債金額はどの金融業者にもバレますから、どこかのタイミングで「それほど大きな借金を抱えている人は貸せません」という判断になり破綻する場合も多いです。
そのため自転車操業状態になっている場合は、それ以上事態が悪化する前に、一刻も早く債務整理に向けて動き出すことを強くおすすめします。
どの債務整理を選ぶべきかについては状況によりますが、基本的に利息カットしかできない任意整理では解決できない可能性が高いです。

返済が長期になって完済の目途が立たない場合

返済が長期になって完済の見込みがない場合も、早めに債務整理に向けて動き出すことをおすすめします。特に以下に該当する方は債務整理を検討するべきです。

・「負担が大きい」と感じながら返済が5年以上続けている
・完済できる時期を正確には知らない
・複数の業者から借金をしている

債務整理には単に借金を整理するだけでなく、「借金を整理して正常な生活を取り戻す」という意味もあります。「この先も辛い返済生活が続く気がする」という方は債務整理をして、穏やかな日々に戻りましょう。

債権者から一括請求を余儀なくされている場合

元々「分割返済」をしていた場合でも、返済を数か月滞納すると、金融機関・貸金業者の判断で「一括請求」に切り替わる可能性があります。
一括請求をされた時点で、債権者から「怒りました」「もっと本気で回収します」と言われたと考えるべきです(回収が次の段階に進んだと捉えてください)。
この一括請求に対して反応しないでいると、裁判所から「支払督促」が送られてきます。それに対しても無反応でいると財産を差し押さえられてもおかしくありません。
ですから一括請求をされてそれを支払えそうにない場合は、債務整理の検討をおすすめします。また、「滞納する前に金融業者に連絡を入れて指示に従う」、「滞納しそうな時点で専門家に相談する」ということももちろん大事です。

そもそも収入がなくなってしまった場合

何らかの理由で収入がなくなり、すぐに復活する見込みがない場合も、債務整理をおすすめします。
貯金などが十分にある方は、任意整理による利息カット、個人再生による負債の大幅カットでも対応できるかもしれません。しかし基本的には自己破産による負債の全額免除を推奨します。

債務整理方法別での手続きに踏み切るタイミング ~任意整理の場合~

続いては任意整理に踏み切るべきタイミングや、借金額などを基準とした目安などについて解説していきます。

任意整理とは

任意整理は「債権者と交渉することで、利息分のカットや返済期間の延長(3~5年)をしてもらう手続き」のことです。債務整理の中で最も効果が低いものの、手続きが比較的簡単でありデメリットも少ないです。

任意整理の金額の目安

まず100~200万円台の借金を抱えている方は、任意整理で解決することになる場合が多いです。安定した収入があれば自己破産をする必要はまずない金額です。また、個人再生では効果が出にくいです(カットできる負債金額と、かかる費用が釣り合っていません)。
300~400万円台の借金がある場合も任意整理で解決することになりやすいですが、収入が低い方(目安として手取り20万円以下)は、「任意整理後の支払い」も難しくなりやすいです。
そして借金が500~600万円台以上である場合は、任意整理では解決しにくいケースがさらに増えます。
ただ、どの債務整理をするかは基本的に専門家に判断してもらいましょう。一般の方が最初から「自分はこの債務整理をする」と決めておく必要はありません。

専門家費用等について

任意整理にかかる費用の相場は、債権者1社につき5~15万円ほどです。任意整理には基本的に裁判所が絡みませんから、ほとんど専門家費用が占めることになります。
目安ですが内訳は以下の通りです。

法律相談料:1時間1万円(初回無料の事務所もある)
着手金:債権者1社につき5~15万円
成功報酬:債権者1社につき2万円以下
減額報酬金:「借金の減額分」の10%

ここにさらに実費などが入ります。
状況や事務所によって費用は変わります。そのためきちんと確認しましょう(他の種類の債務整理をする場合にももちろん大事なことです)。

債務整理方法別での手続きに踏み切るタイミング ~個人再生の場合~

次は、個人再生を検討するべきタイミングや、借金額などを基準にした目安について解説していきます。

個人再生とは

個人再生とは、「裁判所に申し立てることで、借金を8~9割減らす手続き」のことです。裁判所が絡みますから裁判所費用もかかりますし、任意整理に比べると手続きも大幅に大変ですが、メリットは大きいです。

個人再生の金額の目安

借金が300万円~400万円台の方は基本的に任意整理を検討するべきです。収入が少ないなどの理由で任意整理では解決しにくかったり、手放したくない財産があるなどの理由で自己破産しにくかったりする場合は、個人再生も考えてみましょう。
借金が500~600万円台の場合は自己破産も有力な選択肢となりますが、「家を残したい(自己破産だと基本的に手放す必要があります)」などの事情がある方には個人再生もおすすめです。
そして「借金が700~1000万円以上かつ、収入は低くない」という場合は、個人再生によって借金を大きく減らし、その後普通に返済していくのもいいでしょう。
なお先述の通り、借金が100~200万円台の場合、メリットが少ないですから個人再生は推奨しません。

専門家費用等について

個人再生では主に「裁判所費用」と「専門家費用」がかかることになります。トータルの金額の目安は50~80万円ほどです。
裁判所費用の内訳(目安)は以下の通りです。

予納金(裁判所に事前に納める費用):1万2000~1万4000円
個人再生の申し立て手数料:1万円
債権者への通知費用等:3000~5000円
個人再生委員が選任された場合の費用:15~25万円

専門家費用の内訳(目安)は以下の通りです。

法律相談料:1時間1万円(初回無料の事務所もある)
着手金:債権者1社につき30万円~
成功報酬:20万円~
家を残す場合:+10万円

個人再生では「住宅ローン特則」によって住宅を手放さずに残すことも可能です。ただし、この制度を利用すると専門家費用が高くなります。

債務整理方法別での手続きに踏み切るタイミング ~自己破産の場合~

続いては自己破産を考えるべきタイミングや条件、借金額など基準にした目安などについて解説していきます。

自己破産とは

自己破産は、「借金を返済できる見込みがないことなどを裁判所に認めてもらい、借金を(原則)ゼロにする手続き」です。
「必要最低限の財産を残し、それ以外は手放す」などの大きなデメリットもありますが、何より借金がゼロになりますから強力な手続きと言えます。

自己破産の金額の目安

借金が100~400万円台の場合、「収入ゼロ」もしくは月々の返済が難しいレベルで収入が少ないのであれば自己破産を検討するべきです。
借金が500~600万円台の場合も自己破産を考えるべきです。この規模の借金があるケースでは、「ギャンブルや浪費で作った借金かもしれない」とみなされて、破産管財人が選任され、「管財事件」になる可能性が上がります。

同時廃止事件:破産管財人が選任されない。比較的簡単な処理で終わる
管財事件:破産管財人が選任される。自己破産費用が高くなりやすい

借金が700~1000万円以上で自己破産をする場合は、管財事件になる可能性がさらに上がります。ただ、個人再生で解決できないのであれば、迷わず自己破産をするべきであるケースが大半です。

専門家費用等について

自己破産では主に「裁判所費用」と「弁護士費用」が発生します。総金額の目安は以下の通りです。

同時廃止事件:30~50万円
管財事件:80~130万円
少額管財事件:50~80万円

大半の自己破産手続きは同時廃止事件として進められます。ただ、「債務者にある程度の財産がある」「借金の理由に問題がある(ギャンブルなど)」などの場合は、管財事件か少額管財事件として処理されるケースもあります。
なお少額管財事件は弁護士に依頼した場合のみ行える可能性があります(少額管財事件制度を設けていない裁判所もあります)。

裁判所費用の内訳(目安)は以下の通りです。

予納金(裁判所に事前に納める費用):同時廃止事件1~3万円/管財事件50万円/少額管財事件/20万円
自己破産の申し立て手数料:1500円
債権者への通知費用等:3000~5000円

専門家費用の内訳(目安)は以下の通りです。

法律相談料:1時間1万円(初回無料の事務所もある)
着手金:20~50万円
成功報酬:30万円

債務整理の費用も払えない場合の対処法

続いては債務整理の費用を払える見込みがない場合の対処方法を紹介していきます。最も好ましくないのは「債務整理の費用を払える気がしないため、何もせず借金を膨らませ続けること」ですので、投げ出す前に早めに動き出しましょう。

法テラスを利用する

法テラスは、法的なトラブルを解決するための機関であり国が設立したものです。無料の法律相談や、弁護士・司法書士費用などの立て替えを行ってくれますから、経済的な余裕がなく債務整理がしにくい状況にある方にもおすすめです。
ただし法テラスを利用するためには主に以下の条件を満たす必要があります。

・収入が一定金額以下
・保有資産が一定金額以下
・債務整理によって円満解決する見込みがある(無謀な債務整理は受け付けない)

また、法テラスを利用すると、債務整理が完了するまでの期間が通常より長くなりやすいですから気を付けましょう。

分割払いや後払いが可能な弁護士事務所に依頼する

費用の分割払いや後払いに対応している弁護士事務所を利用するのもおすすめです(2~4回払いくらいのところが多いです)。
専門家としても「債務整理をするくらいだから専門家費用で困っている人は多い」ということはわかっているため、無理のない支払い方法を提示してくれる事務所が少なくありません。

司法書士に相談・依頼する

司法書士に債務整理を依頼する場合、相談料や着手金などが発生しないことが多いです。そのため弁護士に任せるよりも、司法書士に頼む方が金額は低くなる傾向にあります。
ただし、以下の注意点があります。司法書士は弁護士に比べて、できることが少ないため気を付けてください。

・任意整理は「1社につき140万円以下の案件」しか扱えない
・個人再生、自己破産でできるのは書類作成のみ(法的行為の代理ができないため)
・自己破産を少額管財手続きにできない
・任意整理で裁判になった場合、別に弁護士に依頼しなければならない

弁護士の場合はこのような制限はなく、基本的に何でも引き受けてくれます。そのため特に個人再生や自己破産をする場合は、多少費用がかさんでも弁護士の利用をおすすめします。

自分で債務整理をする

実は債務整理を自分で行うこともできます。
ただ、法的な知識や経験のない方が、書類や情報・証拠などを抜かりなく集めるのは至難の業です。また、専門家であればスムーズに行える「債権者との交渉」も、一般人がするとなると、失敗したり時間がかかったりする可能性が高いです。
そのためよほど自信と気力がある場合を除いて、債務整理は専門家に依頼することを強くおすすめします。

まとめ

債務整理を検討するべき条件や、「どの債務整理がおすすめか」の借金額の目安などについて解説しました。債務整理を考えるべき条件を色々と紹介しましたが、いずれかに該当している場合は、専門家に相談するなどして確実に債務整理を検討しましょう。
どの種類の債務整理をするべきかについては基本的に専門家が判断してくれますから、依頼者側はそれほど考えを固めておく必要はありません。
なかなか動き出さずに借金を膨らませてしまうと、債務整理の選択肢が狭まったり、債務整理自体ができなくなったりするだけですので何のメリットもありません。
また、「このままでは債務整理をすることになるかもしれない」という場合も、その時点で専門家に相談するといいでしょう。早めに動くに越したことはありません。ただ、余裕があれば、その前に「収支を見直し自力で改善する」「貸金業者と相談する」などのこともおすすめします。

さいごに

【専門家に相談したい方はこちらへ】

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